用紙

紙は環境の優等生

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

一時期、紙を使うことは森林破壊につながるから、一刻も早く電子化しよう、という風潮が広まった。
だが、これは誤解を多く含んでいる。
紙の原料はいうまでもなく木材である。但し、木を切り倒して丸ごと一本使うわけではない。
紙の原料になるのは、建築資材から出る端材や間伐材などで、資源の有効利用といえる。
また、紙は再生に適しており、一度使った紙を回収して、また紙にするという再生利用をしている。
日本製紙連合会によると、紙・板紙の古紙利用率は64.4%、回収率は79.5%と世界でもトップレベルの利用率、回収率である。

また、これはあまり知られていない話であるが、製紙工場ではバイオマス燃料が多く活用されている。
チップからパルプを作る工程で、黒液と呼ばれる廃液が出る。これを使って発電するのだ。
黒液以外にも木くずやペーパースラッジ(微細な繊維を含む有機性汚泥)などを使い、製紙工場では使用するエネルギーの50%以上をバイオマスエネルギーにしている。
これはCO2削減に大いに貢献している。

日本製紙連合会ホームページより

また、製紙メーカーは世界各地で植林活動を行っており、最大手の王子製紙では2018年末の植林累計6か国9か所で25万ヘクタールに及ぶ。
紙は、あらゆるメディアの中でも、最も環境にやさしいメディアなのである。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加